市販の風邪薬の年齢制限が変わった!!
市販の風邪薬の年齢制限が変わったのをご存知でしょうか?
以外と知らないこの内容、お子様を持つ親御さんは気になるところです!
今回は市販の風邪薬の年齢制限が変わったことを調べてみました。
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現在発売の市販の風邪薬の【用法・用量】が変わった!!
全く知りませんでしたが、既に現在発売している市販の風邪薬の【用法・用量】部分が変更になっているようです。
我が家はずっと風邪薬は新ルルA錠派で、数日前から錠剤デビューした9歳長女にも、6歳以上11歳未満1錠の表記に従ってこれを飲ませてたんだけど、今日追加で買ってきたら年齢制限変わっとるがな!!えー、なにこれ、なんでしれっと変わってるの?成分量同じっぽいのになんで?? pic.twitter.com/MmoEqtBN1l
— なちゅ。@育児マストドンBabuu (@itacchiku) 2018年11月2日
何故このような事になったのかを次に説明します。
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コデイン類を含む市販薬が2019年から12歳未満服用禁止に!?
コデイン類とは、咳を抑え呼吸症状などを改善する効果があるため、数多くの市販薬に含有されています。
そんなコデイン類を含む市販薬について、2019年より使用年齢が変更になり、12歳未満の小児への使用を禁忌にすると厚生労働省より発表になりました。
では何故コデイン類が12歳未満だと服用してはいけないのか、またどの市販薬が対象になるのかをご紹介していきます。
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何故コデイン類を含む市販薬の使用が12歳未満禁忌になるの?
禁忌になった経緯
2017年4月に、米国食品医薬品局(FDA)がコデイン類(リン酸ジヒドロコデイン、リン酸コデイン)を含む医療用医薬品の12歳未満の小児への使用を禁忌にすることを発表し、これを受けて日本でも同様の対応を2019年より取ることになりました。
理由は何?
コデイン類が12歳未満禁忌となる理由は、重篤な副作用(呼吸抑制)を生じる危険性があるからです。
コデイン類は肝臓の薬物代謝酵素CYP2D6により代謝され、モルヒネになることで作用されます。
遺伝的に薬物代謝酵素の活性が過剰な人(Ultra-rapid metabolizer:URM)は、モルヒネの血中濃度が通常よりも高くなってしまうため、呼吸抑制を起こしてしまう危険性が生じます。
世界の18歳未満のコデイン類の副作用報告は、1969年から2015年の間に64例あり、うち24例が死亡例でした。
死亡例の24例のうち21例が12歳未満でした。
以上の結果から、安全性を考慮して米国では2017年4月にコデイン類を含む医療用医薬品の12歳未満の小児への服用を禁忌とし、日本でも2019年よりコデイン類を含む医療用医薬品の12歳未満の小児への服用を禁忌とする方針が発表されたのです。
コデイン配合市販薬の年齢制限変更に関して。
先ほど、フジ「ノンストップ!」で特集していたので。
コデイン配合の薬で副作用が認められた為、12歳未満の服用が禁止に。
移行期間中なので、今まで使っていたものでも使えなくなるものも…
ルルA、パブロン、ベンザブロックSなど…多いです。 pic.twitter.com/6W9g6kjfOy— えん (@25en25) 2018年11月15日
今まで子供にコデイン類を含む市販薬を飲ませてしまっていたけど平気なの?
今まで子供に飲ませてしまっていたからといって問題があるわけではありません。
副作用の報告件数や内容から12歳未満の小児には服用させない方が安全であるという結論に至った様です。
ちなみに日本での18歳未満のコデイン類の副作用報告は、4例のみで、死亡例はなく、2011年から2015年の期間で健康被害の報告はありません。
遺伝的に薬物代謝酵素の活性が過剰な人(Ultra-rapid metabolizer:URM)の割合は日本人は低いとされているため(欧米人3.6%~6.5% 日本人 0.5%~1.0%)、副作用は起きにくいと考えられているようです。
そのため日本では今すぐ禁忌にするという訳では無く、2018年末までは経過措置期間となり、2019年より12歳未満服用禁忌に変更となります。
出典:厚生労働省
市販薬のどの薬が対象なの?
コデイン類は咳を抑える効果がありますので、非常に多くの市販薬に使用されています。
情報番組「ノンストップ!」では、6つの市販薬の名前が紹介された他、約600種類の市販薬が対象となると紹介されました。
市販の風邪薬が来年から12歳未満服用禁止の表記に変更するの知らんかった#ノンストップ #風邪薬 #市販薬 #コデイン pic.twitter.com/ElIx9g8WWO
— フェイス (@GEWR_DSAK) 2018年11月15日
6つの市販薬のコデイン類の含有量を表にまとめました。
エスタックイブファイン | エスエス製薬 | ジヒドロコデインリン酸塩 24mg |
---|---|---|
パブロンゴールドA〈微粒〉 | 大正製薬 | ジヒドロコデインリン酸塩 8mg |
ベンザブロックSプラス | 武田コンシューマー ヘルスケア |
ジヒドロコデインリン酸塩 24mg |
新ルル-A錠s | 第一三共ヘルスケア | ジヒドロコデインリン酸塩 24mg |
ジキニン液D | 全薬工業 | ジヒドロコデインリン酸塩 30mg |
こどもパブロン咳止め液 | 大正製薬-明治製薬 | ジヒドロコデインリン酸塩 18mg |
この他に600種類の市販薬にコデイン類が含有されているところを見ると、コデイン類は風邪薬には欠かせない存在と言えるのでは無いでしょうか。
しかしながらコデイン類が含有されていない市販薬ももちろん存在しますので、いくつかご紹介します。
コデイン類が含有されていない市販薬
大正製薬 | パブロンキッズかぜ微粒 |
---|---|
宇津救命丸 | 宇津こどもかぜ薬C |
池田模範堂 | ムヒのこどもかぜシロップ |
宇津救命丸 | 宇津こどもせきどめ |
ライオン | キッズバファリンせきどめシロップS |
浅田飴 | 浅田飴子供せきどめドロップ |
日新薬品工業 | トピックGトローチ |
市販薬も年間1万2千円以上は所得税控除の対象に!
ついでに意外と知らない、こちらの情報もお知らせします。
平成29年より「セルフメディケーション税制」(医療費控除の特例)が開始となりました。
「セルフメディケーション税制」とは、市販薬の購入金額が1年間で1万2千円を超えると、超えた分が所得税控除の対象となる制度です。
自分一人だと年間で1万2千円以上なんてなかなか購入しないかもしれませんが、世帯が同じであれば家族全員分を合算することができます。
購入金額の上限は10万円までとなっていますので、10万円−1万2千円で最大8万8千円が所得控除の対象となります。
ただし、いくつか注意点がありますので、以下にまとめました。
「セルフメディケーション税制」の注意点
1. | 従来の医療費控除制度とは併用できません。 | 従来どおり10万円を超えた医療費の所得控除を受けるか、「セルフメディケーション税制」で所得控除を受けるかを自らが選択することとなります。 |
---|---|---|
2. | 対象となる市販薬は「スイッチOTC薬」のみです。 | 厚生労働省のWebサイトに対象の市販薬が記載されています。 厚生労働省のホームページはこちら!! |
また、対象の市販薬には以下のマークが入っていますので、目印にすると良いですね。
知って得する「セルフメディケーション税制」 制度開始から約3ヶ月で認知率は50.9%。制度内容を理解している人ほど高い利用意向示す。 https://t.co/m2Kub77JZW @PRTIMES_JPさんから
— セルフメディケーション税制 (@SelfMedi_tax) 2017年5月23日
3. | 所得税や住民税を納めていて、右記のいずれかを受けている人が対象となります。 | ・特定健康診査 ・予防接種 ・定期健康診断 ・健康診査 ・がん検診 |
---|---|---|
4. | この制度の期間は平成33年分までです。 | 平成29年分から平成33年分までの期間の特例です。 |
まとめ
コデイン類は重篤な副作用が起こる危険性があるため、コデイン類を含む市販薬が2019年から12歳未満服用禁止となることが決定いたしました。
12歳未満の子供に市販薬を与える場合は、コデイン類が含まれていないものを服用させると安心ですね。
詳しくはお近くの医師や薬剤師さんにご相談してくださいね!
また、平成29年より市販薬も年間1万2千円以上は所得税控除の対象になっているので、市販薬を購入した際のレシートは取っておくようにしましょう。
(こちらの情報は2018年11月16日現在の情報です。詳しくはお近くの内科・薬局等でご確認願います。)